座談会

医療と介護の連携 後編 「地域包括支援センター」と「介護予防」の本質

4.地域で心配なのは、単独事業所?大手事業所?

菅氏

かつて地域の中では、互いの介護事業者の顔がみえていました。現状では地域という単位の連携を大切にしていないように感じさせられてしまうことがありますが、いかがでしょうか。

阿部例えば伊勢原の人口は10万人ですが、居宅支援事業所は17カ所程度しかありません。その中には大手も含まれます。そこで、専門職としてのモラルハザード(節度を失った利益追求に走るといった倫理の欠如)を起こさせない、良い意味での、互いの抑止力が必要です。そのため、ケアマネジャー同士の連携のみならず、連絡会に参加している以上は、「悪いことをしたら(この業界で)生きていけない」ような、「大手と社会福祉法人と民間とのネットワーク」が大切でしょう。

つまり、「村の仕組み」ですよね。しかし、地域の連絡会などに大手のフランチャイズは参加しないことも多く、また、訪問先で出会っても、ケアに対する温度差を感じることもあるのですが…。こうしたことは、みなさんのところでは問題になっていませんか。

土橋大手が全国一律そうだとは思わないのですが・・・。市川市では、訪問看護のものを含め、さまざまな会議に大手が出席しています。そうした中で、互いの動きが見えているということは必要ですから、連絡協議会等にも顔を出さないというのであれば心配な面もある気がします。また、大手は、すべてにおいて「効率的」なので、経済的な効率性を比較すると、地域で古くから個別に業務を手がけているところとは、互いの歩調が合わないという心配はあるのではないでしょうか。

阿部多くのヘルパーさんは常勤ではないために担当者会議は時間外の拘束になりがちですが、手当ての問題があるので、結果的に「ご出席いただける範囲で結構です」ということに。それがサービス事業者側の気持ちにもかかわってきて、担当者会議が開けない理由としてよく議論される点です。また、医師を呼んでも、車代も出せないということも…。

岡島大手のほうが「見える」部分もあり、大手であれば「ガラス張り」にしてもらうことが可能ですし、積極的に意見を交わすこともできると感じることもあります。むしろ、立ち上げたばかりでケアマネ1人、ヘルパー2・3人という事業所では、連絡会に出たくても出られず、連携の輪に入れなくなっていく等の現象もあります。

大切なのは、ご利用者さんの自己選択の支援をする、ということ

各事業所が分散している状況を変えるために、お金・時間・場所の制約が少ない形でのネットワーク化を実現させなければなりませんね。そのためのインターネットの利用は私の研究テーマでもありますが、さまざまな事業者に声をかけていき、情報交換のプラットホームにのってもらうこと自体も難しいでしょうか?

土橋大手には、請求、総合的な24時間対応等、大手なりのシステムが確立しています。そこと、個々の地域の事業所が、行政との関係等について足並みをそろえていくというのが、地域が支えるべき部分です。

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