「生活の快」を取り戻す、デイサービスのあり方 後編

デイサービス高ヶ坂
小室さんは、町田市で人気の高い「デイサービス高ヶ坂」を経営する傍ら、デイサービスのコンサルタントとして、次々と新しい施設を立ち上げておられます。
自らを「介護バカ」と称されるほど、スタッフと共に日夜質の高い介護への努力を惜しまず、利用者さまの御家庭にも一番に足を運ばれます。その熱きキャプテン振りと、やさしい笑顔は、人々を惹きつけます。
理想のデイサービスに近づく為に
利用者のご家族とのコミュニケーション方法
ご家族への毎日の業務連絡は連絡帳で行なっていますが、画一的になりがちで、反応はあまり期待できません。情報を収集したいのは、様々な問題を抱えているケースですので、ご家族と一緒に利用者の自立を支援していくことが大切です。
連絡には電話が非常に有効です。
たとえば、何か施設にものを持ってきてもらう電話をしたり、「今日、こんなことが出来たので、もうビックリしてしまいました!」と、出来た感動を電話でお話したりします。そうすると、何が起こったのかと興味を持っていただけ、今度はご家族のほうから電話を下さるようになります。「こんなに頻繁に連絡をくれるから、一本ぐらい電話をいれないと悪いわね。」という気持ちになっていただけるのだと思います。そうこうしている内に、「最近ご家庭での様子はどうですか?」と話せるようになります。
介護予防とパワーリハビリ
パワーリハビリは、大規模施設のプラスアルファの部分ではないでしょうか。多くの小規模施設では置き場所がないのが実情だと思います。
実際は施設でどんな立派なリハビリをしても、1週間あいだを空けると元に戻ってしまいます。家には機械がない訳ですから、生活リハビリに重点を置くべきです。家の中の段差とか、お風呂をまたげないとかということを施設の担当者が理解して、具体的な細かい指導をどのように行なっていくかということがキーワードになってくると思います。
利用者は日々老化と戦っていく訳ですから、回復というよりもどちらかというと維持に重点を置くことになります。家庭の中の生活に、より近い環境を施設の生活の中に作り、継続して続けていけるように専門家が指導するべきだと思います。
法改正によってデイサービスはどのように変わっていくか?
厚生労働省が求めていることは、介護度を下げることですから、それにはリハビリしかないと思います。具体的に、計画的に、広い意味でのリハビリテーションを提供できる場にならなければ施設は絶対に生き残れません。リハビリテーションは理学療法士がついて行なうものだけではなく、家から出るということそのものがリハビリになります。また、体調を維持しながら楽しく毎日を過ごせるプログラムを施設で行なうには、やはり専門的なリハビリテーション、知識の根拠に基づいたサービスの提供が必要です。
送迎車で送られてきて、お遊戯が始まるまで座ってずっと待っているというのではなく、当施設の場合は、来られた順にどんどん、リハビリをやったりお風呂に入ったりといった形で個別にスタートしています。
人材育成
モチベーションの高め方が一番重要だと思います。是非、素晴らしいとされている施設にどんどん見学に行って、ある一定のショックを与えるようなしかけを経営者が考えなければなりません。実は当施設も半年位でマンネリ期を迎えます。みんな疲れているので仕事に刺激を与える意味で、半年毎にスタッフ研修に行ってもらいます。するともう、すぐに復帰します。そしてまた新しい商品が生まれて、また半年間頑張れます。
スタッフは一緒に商品開発をする仲間ですから、たまたま僕はキャプテンの立場で、何か事故があったら僕が最終的責任を取るということを明確にして、あとは、同じ視線で一緒に物事を考えます。そうすると、楽しい発想で良い商品が開発できます。何か考えても稟議決済では、なかなか上手くいかないので、大きな商品を開発する時は、僕も会議に参加させてもらって、その場で決定してしまいます。それがストレスを生まない職場だと思います。
お医者様や地域との連携
お医者さんからのメディカルな情報を、書面で共有するということはありますが、現状では電話で連絡をとっています。実際お医者さんは忙しくて、たとえば主治医意見書にしても、郵送ではなかなか返って来ませんし、取りに行っても外来が終わるまで待つこともあります。
でもそれはお医者さんが悪いのではなく、逆に忙し過ぎるので、僕らが考えていかなければいけないと思います。ご挨拶に行って、都合のよい日時を伺って「こういうケアをしたいので、先生にもご協力をお願いしたい」と言って断るお医者さんはいらっしゃいませんから。また、看護婦さんは情熱的な方が多いのでお話しやすいですが、やはり現状では電話連絡です。
デイサービス高ヶ坂の展望

いいモデルとして、頑張って下さい。
小室さん、どうも有難うございました。
恐ろしい高齢化社会と言われていますが、65歳以上の人口が20%に達するのは目前です。地域によっては20%を超えているところもあります。そんな中、施設の整備は順調に進んでいます。
高齢者には何が必要で、何が求められているのかを皆が知っていく段階にあって、当施設が起爆材になれればいいなと思っています。サービス事業として、われわれは今変化の兆しが見えていると思います。
