インタビュー

齊藤 学 さん インタビュー - 新世紀のケアマネジメントへの提言

取材・文 / 浅野裕見子

齊藤 学 さん プロフィール

齊藤 学 さん

NPO法人
神奈川県介護支援専門員協会 会長
(衣笠ホーム・ホーム長補佐)
ケアマネジャー

1.ケアマネジャーの業務の標準化が必要

介護保険制度施行以前よりケアマネジャーの業務に関して明確な範囲ということが提示されずに、現場が混乱したままスタートしてしまった、そのような実感があります。予想以上に利用者の方々より頼りにされる部分も多く、現在のような激務に発展してしまっています。また、介護報酬も業務量に比べて遥かに低くこれは今後の人的資源を確保する環境をすでに破壊している感があります。制度そのものにケアマネはなくてはならない存在ですから、まずは介護報酬を根本的に考え直してもらわねばなりません。

ケアマネクラブとして、業務範囲を含めた標準化を進めることを考えていかなければならないと思います。そのために、業務手順を全地域の実戦経験を元にした良い意味でのコラボレーションを形成しなければならないし、そこから初めて明確なガイダンスが創れると思います。

2.ケアマネジメントについて

何度も言いますが、ケアマネの業務量が多すぎるためにアセスメントやケアプランに充分な時間が使えていない現実があると思います。ケアプラン数にしても実際に50~100プラン近く抱えているケアマネも多く存在します。これに関してはケアプランの質の問題が上げられると思います。

厚生省では「介護支援専門員支援会議」というものがあり、そこでは事業所の運営基準としてケアマネ1人に30プランという数値がでていました。当然ながら30プランでは事業所として経営は成り立たないわけで、量と質を計りながら現場のケアマネが奮戦しているのが現実です。もちろん給付管理などの業務も重要な仕事ですが、もっとネットワークシステムなどを活用して合理化していかないと、事業所の死活問題にもなります。

ケアマネジメントに関して、もう一つ話しておきたいのは今後のケアカンファレンスの重要性です。もともとケアマネの受験資格の範囲が広いためケアマネにはそれぞれの専門性があります。ケアカンファレンスの必要性はその専門性を補うためにありますから、そのための方法論を考えねばなりません。何よりもそれが利用者の方々への満足度につながるのですから。

ケアマネクラブでは、二ヶ月に一回実務講座を行って質の均衡に役立てようとしています。またそれぞれの地域ごとのケアマネの集まりと言いますかネットワークは春より様々な形で活動を始められていたのですが、現在は実質上空洞化したネットワークになってしまっているところが多く、誠に残念です。ケアマネのスキルを上げていく実質的なネットワークが必要不可欠になっています。

最近よくケアマネジャーが不足して「募集」されているのを見かけますが、まずは不足しているケアマネを確保できる環境づくりのために、事業所全体のレベルアップが必要だと思います。魅力ある職業としてアピールできるネットワークも必要になってくると感じています。

3.21世紀を迎えての新しい課題

とうとう21世紀です。益々高齢化社会が進むなかでケアマネジャーは、いかにして利用者の方々の満足度に応えられるか・・・。課題もたくさんあります。

まずは、要介護者(利用者)とケマネージャーとの需給のバランスの問題点です。制度施行から一年を待たずして、殆どのケアマネジャーが抱えるプラン数は限界にきていると感じられます。認定者が増えつづける中で当然ながらケアマネは不足してきています。ますます質の向上も求められながら「自立支援」「自由選択」というコンセプトへの探求・実践の毎日です。

そのような中からその支援効果が出て介護度が良くなるとサービス限度額が低くなるので、逆に利用者とその家族の方から不満が起こるという皮肉な現実も出たりしています。これからのケアマネに求められる事に、系統立てた利用者教育も必要になると思われます。また、保険者の意識そのものも現実に対応できるよう変えていく必要を感じます。認定は受けたもののケアプランと立ててくれるケアマネが見つからない利用者も多数いる訳です。もっと、保険者も積極的にケアマネ情報を提供していく姿勢が欲しいと思います。それに、現場のケアマネがするべき業務と行政としてやるべき業務を、保険者がきちっと分離・認識して進めるべきです。新世紀を迎えるわけですから、もう全てのしわ寄せがケアマネに来ることがないように行政も認識して欲しいと願っています。

4.ケアマネクラブとしての新世紀

ケアマネクラブの活動は、大きく3つに分けられます。一つは「情報提供」次に「ケアマネ研修」最後に「ネットワーク」です。現在は紙媒体が主ですが、ケアマネクラブネットを立ち上げましたので、これからはインターネットの利点を活用して様々な情報を発信していきます。また、ケアマネにはそれぞれ元の職業としての専門分野により傾向がありますので、専門分野毎の実践講座やメニューの作り方などの研修を行っていきます。ネットワークに関してはブロックごとに会合やイベントを行っています。地域のネットワーク作りより学び合って、より良いプラン作成につなげていきたいと思います。

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