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- 地域包括支援センターの現状と課題
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3.問われる自治体「丸投げ委託」も
地域包括支援センターは、主任介護支援専門員、保健師、社会福祉士の3職種が連携し、高齢者の介護や介護予防、福祉、医療などの総合的な相談をワンストップで行うことをねらいとする。
「3職種の人材の確保については当法人の理事本人が奔走するなど並ならぬ苦労がありました。しかし、地域の総合的な相談窓口としての機能をもたないということは、私達の法人の存在意義にも関わることだと考え、なんとしてでも地域包括支援センターを受託しようという気持ちがあったのです」。
「現時点では、3職種がそれぞれの専門性を発揮し、連携をはかって地域住民を支援するという体制には必ずしも至っていません。そもそも、介護保険のケアプランの作成業務に携わっていたのがケアマネジャーである私ひとりであったこともあり、3人がアセスメント、プラン作成、モニタリング、給付管理業務という一連の過程を均等して行えるようになるまで一定の時間を要しました。また、勤務が交代制なので3人が一緒に揃うことも少ないのが現実です」(川尻さん)。
3職種が揃っていても、介護予防ケアプランの作成に追われ、それぞれの職能をいかしきれていない地域包括支援センターも少なくないようだ。
一方、各自治体には地域包括支援センターを統括、支援する機関も設けられているが、町田市の場合は町田市社会福祉協議会が運営する「地域包括推進センター」がその役割を担っている。しかし市内15カ所の地域包括支援センターの統括、支援を一手に担っている現状では、「先方の事情もわかるので、困ったことなどがあっても、よほどのことがない限り相談はできません」と庄司さんは打ち明ける。
しかし、町田市の地域包括支援センターならではの強みもある。
同市は、これまで機能していた在宅介護支援センターのほぼすべてが地域包括支援センターに移行した経緯があるため、「創和会地域包括支援センター」においても、在宅介護支援センターを運営してきた時代から培ってきた地域におけるネットワークが土台としてあり、地域ケア会議などの場などで、地域の居宅介護支援事業所のケアマネジャーや民生委員、自治会の会長などと横の連携がとれているため、困難なケースへの対応や地域包括支援センターの周知に努めることができるからだ。
今後の行政のありかたに対する要望を同センターの施設長である川尻さんは、こう語る。
「この4月以降、町田市では高齢者福祉課が介護予防係と高齢者虐待防止係を新設しました。在宅介護支援センターが機能していた頃は、行政の窓口と直結する基幹型の存在があり、各地域型に分岐され、各地域の高齢者の実態把握などに努めてきました。しかし、現在は、介護予防と高齢者虐待以外の問題は地域包括支援センターへダイレクトに寄せられ、行政が住民の声に耳を傾ける機会が稀薄化しているという印象を抱いています。行政はもっと現場に足を向け、また地域包括支援センターでマネジメントを担う職員をスーパーバイズする能力も求められているように感じています」
現場を取材すると、各自治体によって地域包括支援センターの位置づけがさまざまで、自治体によっては委託により業務を丸投げしているところもある。
財源にも格差があるものの、自治体は企画力、独自性をもっと高めていくべきではないかと指摘する声もある。


