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- 地域包括支援センターの現状と課題
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平成18年4月から新設された地域包括支援センターは、昨今問題となっている高齢者虐待や権利擁護に関する相談窓口をはじめ、要支援者の介護予防プランの作成やケアマネジャーの支援なども担い、地域における総合的な相談窓口として機能することが期待されている。
しかし、現状では職員は要支援者に対するプランづくりに追われ、「予防プランセンター」化しているとの声もある。
東京・町田市の「創和会地域包括支援センター(http://www.ccnaruse.com/)」を取材し、地域包括支援センターが抱える問題と課題について考えた。
1.地域包括支援センターが住民に知られていない現状
昭和40年代以降、勤労者のベッドタウンとして、大規模な団地造成や住宅開発など、急速に都市化が進んだ町田市は、「福祉の町田」と全国的に評されるほど福祉に対する取り組みが熱心に行われてきた地域である。
町田市では、今年4月の制度改正以前に機能していた在宅介護支援センターはほぼすべて地域包括支援センターに移行した。同市には、平成18年8月現在、15カ所の地域包括支援センターがある。「創和会地域包括支援センター」はそのうちの1カ所だ。
「創和会地域包括支援センター」は、社会福祉法人創和会が経営母体となっている「ケアセンター成瀬」内の一角にある。同法人はほかに居宅介護支援、訪問介護、通所介護、短期入所生活介護の事業を行う。
平成18年4月から実施された介護保険制度の改正によって創設された地域密着型サービスのひとつに小規模多機能型居宅介護事業があるが、同センターでは制度が導入される前から地域の高齢者が「通って、泊まれて、訪問も行う」地域住民主体のサービスを実施してきた。このようなサービスを実施してきた背景には、「住み慣れた地域で安心して老い、暮らせる」ことを目標に地域住民が設立、運営に参加してきたことにある。
センターには陶芸を行う窯があるなど、教養レベルの高い趣味活動が実践できるスペースや、ボランティアのためのスペースがある。こうした面においても、「住民主体」が根底にあるセンターの姿勢が伺える。
「ケアセンター成瀬」がある成瀬台は、高齢化率約24.8%と市内でも高齢者の占める人口が多い地域でもある。昭和40年代頃にこの地に家族で住居を構え、やがて子供が大きくなって住居を離れ、現在は高齢者のみで暮らしている世帯が多いという。
「創和会地域包括支援センター」では、成瀬台のほか、高ヶ坂、成瀬の3エリアを担当する。
「創和会地域包括支援センター」の施設長の川尻勝臣さんは、「ケアセンター成瀬がある成瀬台では地域包括支援センターの周知度は他の地域よりも高いとはいえ、担当地域の地域包括支援センターに対する周知度はまだ低く、自治会の役員を務めているような人でも知っている人とそうでない人がいます」と打ち明ける。
また、町田市の場合、地域包括支援センターの設立時、名称に法人名をつけた方が望ましいとの意向が行政から出たため、これまで住民が慣れ親しんできた「ケアセンター成瀬」の名称を使用せず、「創和会地域包括支援センター」とせざるをえなかった。そのため、住民からは「ケアセンター成瀬は知っているが、『創和会地域包括支援センター』というのはどこですか」とたずねられるなど、混乱が生じている面もあるという。
制度改正にともない要介護から要支援と新たに認定されたが、ケアプランをどこに依頼してよいかわからず、行政の窓口に相談し、「行政の窓口から紹介されて」と、依頼の電話がかかってくることも多い。
そもそも、地域包括ケアとは、高齢者が住み慣れた地域で生活が続けられるよう、その変化に応じて介護、医療、保健などのサービスや地域のさまざまな支援を継続かつ包括的に提供できる仕組みをつくり、機能させ、高齢者を支えていくことである。
地域包括支援センターは、「なにか困ったことがあったら頼れ、相談できる拠点」となることが望まれるが、同センターが設立されてから約9カ月、その存在がまだ地域住民に浸透していない実態も伺える。


